スレイドの歴史は古く、1966年に英国で結成されたのが始まりである。ジミヘン同様にアニマルズのチャス・チャンドラーに見出されたことからも、その才能は際立っていたのだろう。当初は60年代後期の雰囲気そのままにサイケ風のロックを主としていたが、70年代に入ると時代に即し、グラム・ロックへの転換を図る。そしてスレイドが成功を収めた要因は、写真を見ればわかる通り、統一感なくメンバーそれぞれが個性豊かなファッションに身を包み、後のチープ・トリックなどに引き継がれるパワーポップの様式を定着させたことにあるだろう。

本作は、そのスレイドが唯一行なった1974年の来日公演から、3月13日中野サンプラザ公演を初登場音源にて完全収録している。開演前に司会者が「椅子の上に乗らないでください」と何度も注意を促している事からも、既に会場は異様な熱気に包まれているのがわかる。あまりの客席の興奮具合を懸念したバンドはコンサートを中断し、最前列の客に注意を促す場面も生々しく収録されている。

今回使用されているテープは今まで一切世に出ていない、テーパー自らの提供による完全初登場音源である。shakuntalaレーベルの、オリジナル・テーパーによる日本公演シリーズの最新作は、スレイドの1974年3月13日中野サンプラザ公演を開演前のアナウンスから完全収録。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。

NAKANO SUN PLAZA HALL　TOKYO JAPAN March 13, 1974
01. Introduction
02. Take Me Bak 'Ome
03. Move Over
04. Gudbuy T'Jane
05. Just Want A Little Bit
06. Announcement
07. Darlin' Be Home Soon
08. The Whole World's Goin' Crazee
09. Good Time Gals
10. Let The Good Times Roll - Feel So Fine
11. Cum On Feel The Noize
12. Get Down And Get With It
13. Mama Weer All Crazy Now
14. Keep On Rocking