ボウイ1978年のワールド・ツアーより、6月4日スウェーデン公演を完全収録したタイトルである。サウンドボードの完全盤というのがない本ツアーにあって、それに匹敵する超高音質オーディエンス録音。むしろ乾いたサウンドボードよりも音の広がりや臨場感、なにより音の近さなどを加味すると、本作の音源の方が凌駕しているといっても過言ではないくらい、素晴らしい音質である。このツアーからは音の良いオーディエンス録音が数公演存在するが、本作はその内のひとつである。

『STATION TO STATION』、『LOW』、『HEROES』といった、ボウイのキャリアでも重要な位置を占める名盤に伴って行なわれたツアーということもあって、1978年のワールド・ツアーは最も人気のあるツアーのひとつ。日本公演に臨場したファンも多いのではないだろうか。当時のボウイの日本での人気がかなり過熱していた様子が当時の雑誌や新聞、記事などから伺えるが、そんな華やかな報道とは裏腹に、実際のコンサートは暗く重苦しい「ワルシャワ」から始まる落ち着いたものに驚かされる。このツアーを収録したアルバム「STAGE」が当初は実際のコンサートと前後半を入れ替えて収録されたのも、あまりに当時のロック・コンサートのイメージとは異なるオープニングだったからであろう。もちろん現在ではこの時代の評価も固まり、実際の曲順に沿って完全収録されているのはご存知の通りである。

　本作で注目はその音質である。広がりのあるクリアで素晴らしいオーディエンス録音はこのツアーの最高のもののひとつ。ぜひサンプル音源でその音質を確認してみて欲しい。そしてボーナストラックでは1978年4月10日ダラス公演を、6曲のみながらサウンドボード収録している。残念ながらダラス公演のサウンドボード音源で残されているのは本作に収録の6曲のみである。

　1978年ツアーの超高音質音源。ボーナストラックでは1978年4月10日ダラス公演をサウンドボード収録。このツアーを代表するタイトルのひとつである。美しいピクチャー・ディスクの永久保存がっちりプレス盤。


SCANDINAVIUM GOTHENBURG SWEDEN June 4, 1978
DISC ONE
01. Warszawa
02. Heroes
03. What In The World
04. Be My Wife
05. The Jean Genie
06. Blackout
07. Sense Of Doubt
08. Speed Of Life
09. Breaking Glass
10. Fame
11. Beauty And The Beast
12. Five Years
13. Soul Love
14. Star
15. Hang On To Yourself
16. Ziggy Stardust
17. Suffragette City

DISC TWO
01. Art Decade
02. Moon Of Alabama
03. Station To Station
04. Stay
05. TVC 15
06. Rebel Rebel

CONVENTION CENTER DALLAS TEXAS U.S.A. April 10, 1978
SOUNDBOARD RECORDING
07. What In The World
08. Blackout
09. Sense Of Doubt
10. Speed Of Life
11. Hang Onto Yourself
12. Ziggy Stardust